茶道箴・茶道小箴

茶道箴・茶道小箴は、心茶会の目指すところを示すもので、発足時に、久松真一先生が中心になってつくられたものです。心茶会では、毎回の接心会(座禅と点前稽古の会)の初めに茶道箴、終わりに茶道小箴を全員で唱えています。(語注および現代文訳も掲載しています。)

茶道箴(さどうしん)

吾等 今 幸いに 露地草庵に入って 茶道の玄旨(げんし)に参じ 和敬清寂の法を修することを得(う)

願はくは 前賢古聖(こしょう)の芳躅(ほうしょく)を攀(よ)じ 苛且(かりそめ)にも 遊戯逸楽に流れ 好事驕奢(こうずきょうしゃ)に趨(はし)り

流儀技芸に偏固して 邪路に堕する事勿(な)く 堅く侘数寄の真諦(しんたい)を把住(はじゅう)し 専(もっぱ)ら心悟(しんご)を旨(むね)とし 一期一会を観じて 道業倦(う)むこと無く 事理(じり)双修(そうしゅう)し

挙止(こし)寂静(じゃくじょう)にして 塵念を生ずること無く 事物人境に対(むか)って 無念にして身心(しんじん)自ずから道に契(かな)い

山水 草木 草庵 主客 諸具 法則 規矩 共に只一箇に打擲(たてき)し去り 皆 倶(とも)に 無事 安心一様(あんじんいちよう)の白露地(びゃくろじ)を現成(げんじょう)し 茶の十徳を以て世を饒益(にょうやく)せんことを

茶道小箴(さどうしょうしん)

和敬清寂 今 正に修し 喫茶去 身心(しんじん)寥廓(りょうかく)たり

願はくは 要諦(ようたい)鎮日(とこしなえ)に堅持し 精進以て事理(じり)円成(えんじょう)せんことを